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LEDをパルス点灯させた場合の見掛けの明るさ、実験2

 LEDをパルス点灯させると明るくなるか?という話の実験の続きです。前回の記事では比較的小さな電流でテストしましたが、今回はもう少し電流を増やしてデーターを取ります。

▼測定回路
LEDの明るさ比較回路
 前回の回路にはArduinoが入っていてややこしくなっていたので、外しました。そんなことで当然ですが、この回路はプログラム無しで動きます。なお、LEDの電流制限抵抗のR1とVR1は、小電流の場合は10k、大きな電流の場合は1kΩに変えます。

▼ブレッドボード
LED明るさ比較回路
 Arduinoが無くなったのですっきりしました。なお、パルジェネと評価用のLEDはこの写真の外側にあるので写っていません。

 早速測定結果です。なお実験の手間を省くために、パルス周波数は50Hz,100Hz,1000Hzの3種類だけにしました。

◆電流小(約0.32mA)
電流小の結果

電流小のグラフ
 これは前の記事と同じ条件です。デューティを下げると小さな電流でも同じ明るさに見える傾向は同じで、約60%の電流でも同じ明るさになっています。

◆電流中(約0.96mA)
電流中の結果

電流中のグラフ
 デューティーを下げると同じ明るさを得るための平均電流が減る傾向は変わりませんが、その量は約80%と少なくなっています。

◆電流大(約3.14mA)
電流大の結果

電流大のグラフ
 電流の減少量は更に少なくなって、90%に留まっています。

 なおデューティ5%以下の領域では、Rsの影響でパワーFETを充分にONさせることが出来なくなったので測定結果はありません。Rsの値を小さくして測定すればいいのですが、ちょっと面倒です。それに、デューティ5%ではLEDに流れるピーク電流は60mAを超えるので、このあたりが限界だと思います。

◆ここまでのまとめ
 電流が小さな場合、LEDをパルス点灯させると平均電流を60%まで減らしても同じ明るさが得られていました。しかし、電流が大きくなると、その現象の程度は小さくなるようです。

◆明るさの測定
 ともかく、同じ電流でもパルス点灯の方が明るく見える、という話は本当みたいです。ここで問題は、この現象が人間の視覚特性によるものか、あるいは本当にパルス点灯の方が光の量が多いか、ということです。
 この話に決着をつけるためには、光センサーを使って調べる必要があります。直流の光なら割と簡単ですが、パルス光となると手持ちの物で使えるセンサーは限られてきます。

 そこで持ち出してきたのが、以前作ったミニオシロのDSO-SHELLの光インターフェイス基板です。

▼光強度センサー
光強度のモニタ
 これはシリアルデーターの光インタフェース回路ですが、この回路の途中からアナログの光信号を取り出すことにしました。

 左に光っているLEDの右下がフォトトランジスタで、その右下の基板が信号アンプです。ここにはフォトトラの信号を比較的高速で検出するための、カレントミラー回路が入っています。詳しくはこちら
 このセンサーにLEDの光を入れて観察したのが次の波形です。なお、電源から垂らしたコレクタ抵抗の両端電圧を測定しているので波形の極性は逆、つまり画面の下側が光の強度が大きくなっています。

▼パルス光
パルスの光強度
 これは電流小(約0.32mA)、周波数100Hz、デューティ10%でDC点灯と同じ明るさに見えるように振幅を調整した時の、光波形です。ピーク電圧は約800mVになっています。なおこれは、最初のグラフのデューティ10%の位置なので、パルス点灯の平均電流は70%以下になっています。

▼DC点灯の光
DCの光強度
 これはDC点灯の場合の光量です。約80mVなので上の波形の1/10、つまりデューティ比の通りの光量になっています。

 これは、目で見て同じ明るさになるように調整すると、パルスでもDCでも光の量は同じだった、ということになるはずです。電流が少ないのに同じ明るさに見えたのは、視覚効果では無く、本当に光量が同じだったと言えます。

◆今回のまとめと今後の予定
 平均電流が同じでも、パルス点灯の方が明るく見えるという現象は、流す電流の量によってその程度が変わるようです。電流が小さな方がその現象は大きくなるようです。

 パルス点灯の方が明るく見えるのは人間の目の視覚効果が原因、という説がありますが、これは違うのではないかという実験結果です。もちろん、・ブロッカ・ザルツァー (Broca - Sulzer) 効果で単発の30ms程度のパルスが実際より明るく見える現象はあると思いますが、もっと高速の繰り返しパルスではそういう現象は無くなるのではないでしょうか。

▼今回データーを取ったのは、秋月で買った赤色の超高輝度LEDで割と最近の製品です(と言っても2年くらい前か)。
評価に使った赤色LED

 LEDはパルス点灯した方明るいという話(伝説?)は昔からあるようなので、昔作られたLEDでデーターを取ると違った傾向になるのかも知れません。また測定してみたいと思います。
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No title

発振による 寄生昇圧回路みたいになったのかな?? 
おもしろい現象ですね。

SGさん、おはようございます

ダイの温度上昇の違いかと思ったのですが、そうでもなさそうで、不思議な現象です。

おっしゃるように、何か非線形な現象が起こらないとこうはならない気がします。

調査、ありがとうございます

LEDのダイナミック点灯での輝度変化の話、これ、私の仕事につながるのです。
「船」関係の仕事に関わってまして、夜間の「操舵室」で使う「デジタル表示器」、これの輝度をスムーズに変えたいという、客先からの要求仕様があったのです。

夜の操舵室はむちゃ暗い。
目が慣れてくると、星明かり(天ノ川+六等星が見える)で光る海面が見えます。

操舵室の前方上部の頭上に備えられた「針式」のメカ方式指示計に使われている照明は「EL」。
目盛板の裏から照らすEL板の輝度を、EL駆動用電源に入れた可変抵抗でもって絞ります。
これが思いのほかスムーズに変わるのです。
デジタル処理され液晶で表示されるレーダーや航路表示などはバックライトの輝度を極限まで絞ります。

そこで問題になるのが7セグLEDや砲弾型LEDを使った表示器の明るさなんです。
昼間は明るい方が良い。そして夜間は極限まで暗く。
多桁の表示器の場合、通常はダイナミックスキャンのデューティーを変えて暗くするのが回路的に楽なんですが、デューティの可変だけでは追いつかないのです。
駆動電流の低減だけでなく、デューティーというよりLEDオン駆動時間の短縮でもって「より暗く」を実現しています。
このデューティーを考慮した駆動電流の平均値、「絞っても明るく感じるなぁ」を調べられないかなぁというのが、今回のもくろみだったんです。

そうそう。星の明るさ。
一等星と六等星の明るさの差は「100倍」。
2等星くらいしかまで見えない都会での星空では、一等星以上の恒星や金星火星木星土星などはずいぶん明るく感じます。
しかし、六等星に天ノ川までが見える星空では、なぜか一等星が明るく感じない。
明るいはずの星々があんまり目立たないんです。
面ではなく点で光るものへの反応が影響があるのかもしれません。

そう、いつぞやの「現調」…高知沖の太平洋では、「月虹:ムーンボウ」を体験させてもらいましたよ。

re:調査、ありがとうございます

いろいろ興味深いお話、ありがとうございます。

ムーンボウですか、すごいですね。そんな言葉があることすら知りませんでした。

この実験はあと1回、昔の赤色LEDを策定したデーターがあるのでその記事を書く予定です。たぶん今日中に掲載します。

人体の不思議

おはようございます。頑張っておられますね。
網膜の感度がリニアで無いから薄暗い方へ過敏に反応しているのでしょうか?残像効果+この影響?
医療的にも電気的にもトウシロウなのに横から口だけですみません。

re:人体の不思議

エレクトロニクスと人間の感覚の接点あたりが、調べていて一番面白い分野なのかも知れませんね。
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