Arduinoで作るペン型オシロ(振り返り編)
この記事の内容は前の記事の末尾に追記しようと思っていたのですが、ちょっとボリュームが大きくなったので、こちらにまとめることにしました。
◆性能上の問題点
実用上はあまり支障は無いのですが、以下のような問題点というか課題があります。もし同じ物を作られる方がいて、悩まれたりすると申し訳ないので、ここに開示しておきます。
1.残留ノイズが大きい
感度を上げて行くとノイズが目立ってきて、入力をGNDに落としても20mVくらいの残留ノイズがあります。特にオートレンジ (A 5V, A50V) では自動的に縦軸を拡大するのでノイズが目立ちます。
▼残留ノイズ

デカップリングの強化やCPUのAVcc にインダクタを入れるなどの対策を行ったのですが、効果はあまりありませんでした。
2.200usレンジの波形歪
最高速レンジの200μsで波形の歪(ギザギザ)が目立ちます。歪が発生する電圧は同じなので、ADCの出力で桁上がりが発生する時に滑らかに値が変化していないような気がします。なお、500μsレンジではこの問題はありません。また、CPUを交換しても状況は同じでした。
▼200usレンジでの波形歪

三角波の観察結果です。波形のあちこちに引っ掛かりがあります。
◆使い方のTips
1.負電圧はプローブを入れ替えて測定
このオシロはGNDに対してプラスの電圧波形しか観察出来ません。もし負の電圧を観察したい場合は、測定端子を入れ替えて接続すればOKです。電池式なのでこんな芸当が出来ます。
こんなことをすると、相手の回路の信号側にオシロのアース側が接続されて、ノイズ増加などの影響が出ることがあります。そんなことで、万能ではありませんが、ともかくこういう手があることを知っておくと良いでしょう。
ちなみにアナログテスターの時代は、逆接すると針が反対向きに振れるので、おっといけない、ということで本能的にテスター棒を逆に接続してましたが、あれと同じです。
2.交流電圧測定
このオシロにはACカップルモードが無いので、GNDをまたいだ波形の負側を見ることが出来ません。これでは特にオーディオ信号を観察したい場合に不便だと思います。
そういう時に作っておくと便利な物を紹介します。
▼電池式DCオフセットアダプタ


アルカリのボタン電池にピンヘッダとピンソケットをはんだ付けした物です(電池へのはんだ付けはいろいろ問題があるので、推奨しません)。2ピンのピンソケットを使っているのは、形状的に安定するからで、他意はありません。なお、端子間に0.1μFくらいのコンデンサを入れておきたい感じですが、面倒なので省略しています。
ともかくこれを使うと約1.5Vのオフセットを発生させることが出来るので、
▼使い方

オシロのGND端子に取り付けることで、約1.5VがGNDレベルになり、AC波形の観察が出来るようになります。電圧が足らなければ電池を増やすか、リチウム電池を使うと良いでしょう。
▼残留ノイズ

電池の先端を入力端子に接続した状態です。正負が見えるので、シングルエンドの時よりノイズが増えてます。これが本当のノイズの波形なんでしょう。
◆まとめ
0.96インチのOLEDグラフィックディスプレイを買ったのがきっかけで、オシロ作りまで発展してしまいました。実際にやってみないと判らなかったことが沢山あって、楽しくかつ良い経験になりました。
さて、表示デバイスはこのままで、もっと高性能なCPUを使えば性能を上げることが出来そうです。ただ、ATmega328のようなDipのチップは無さそうなのが辛いところです。何かうまい手があれば挑戦してみたいです。
◆性能上の問題点
実用上はあまり支障は無いのですが、以下のような問題点というか課題があります。もし同じ物を作られる方がいて、悩まれたりすると申し訳ないので、ここに開示しておきます。
1.残留ノイズが大きい
感度を上げて行くとノイズが目立ってきて、入力をGNDに落としても20mVくらいの残留ノイズがあります。特にオートレンジ (A 5V, A50V) では自動的に縦軸を拡大するのでノイズが目立ちます。
▼残留ノイズ

デカップリングの強化やCPUのAVcc にインダクタを入れるなどの対策を行ったのですが、効果はあまりありませんでした。
2.200usレンジの波形歪
最高速レンジの200μsで波形の歪(ギザギザ)が目立ちます。歪が発生する電圧は同じなので、ADCの出力で桁上がりが発生する時に滑らかに値が変化していないような気がします。なお、500μsレンジではこの問題はありません。また、CPUを交換しても状況は同じでした。
▼200usレンジでの波形歪

三角波の観察結果です。波形のあちこちに引っ掛かりがあります。
◆使い方のTips
1.負電圧はプローブを入れ替えて測定
このオシロはGNDに対してプラスの電圧波形しか観察出来ません。もし負の電圧を観察したい場合は、測定端子を入れ替えて接続すればOKです。電池式なのでこんな芸当が出来ます。
こんなことをすると、相手の回路の信号側にオシロのアース側が接続されて、ノイズ増加などの影響が出ることがあります。そんなことで、万能ではありませんが、ともかくこういう手があることを知っておくと良いでしょう。
ちなみにアナログテスターの時代は、逆接すると針が反対向きに振れるので、おっといけない、ということで本能的にテスター棒を逆に接続してましたが、あれと同じです。
2.交流電圧測定
このオシロにはACカップルモードが無いので、GNDをまたいだ波形の負側を見ることが出来ません。これでは特にオーディオ信号を観察したい場合に不便だと思います。
そういう時に作っておくと便利な物を紹介します。
▼電池式DCオフセットアダプタ


アルカリのボタン電池にピンヘッダとピンソケットをはんだ付けした物です(電池へのはんだ付けはいろいろ問題があるので、推奨しません)。2ピンのピンソケットを使っているのは、形状的に安定するからで、他意はありません。なお、端子間に0.1μFくらいのコンデンサを入れておきたい感じですが、面倒なので省略しています。
ともかくこれを使うと約1.5Vのオフセットを発生させることが出来るので、
▼使い方

オシロのGND端子に取り付けることで、約1.5VがGNDレベルになり、AC波形の観察が出来るようになります。電圧が足らなければ電池を増やすか、リチウム電池を使うと良いでしょう。
▼残留ノイズ

電池の先端を入力端子に接続した状態です。正負が見えるので、シングルエンドの時よりノイズが増えてます。これが本当のノイズの波形なんでしょう。
◆まとめ
0.96インチのOLEDグラフィックディスプレイを買ったのがきっかけで、オシロ作りまで発展してしまいました。実際にやってみないと判らなかったことが沢山あって、楽しくかつ良い経験になりました。
さて、表示デバイスはこのままで、もっと高性能なCPUを使えば性能を上げることが出来そうです。ただ、ATmega328のようなDipのチップは無さそうなのが辛いところです。何かうまい手があれば挑戦してみたいです。
- 関連記事