Arduinoで動かすアナログ表示の気圧計の電池電圧
◆まえがき
定期的に(と言っても数ヶ月置き)に取り上げている、アナログ表示の気圧計の電池電圧の状況です。いきなりデーターを出しても何の話だか判らない人もいそうです。ということで、まずは外観写真から、
・ こんな気圧計です

気圧センサーは LPS-25H、CPU は ATmega328 で、プログラムは Arduino で開発しました。あと、この気圧計については、平成から令和へ、元号を超えて動き続けているマイコンたち という、つい先日の記事で紹介したばかりでした。
◆電池電圧の推移
・ グラフ

動かし始めてから今日で742日目、電池電圧は 4.42Vでした。これは電池3本を直列にした値なので、一本当たり 1.473Vで、まだまだいけそうです。
ちなみに電池電圧は CPUで監視していて、電圧がグラフの赤い点線 (3.3V) に達すると、メーターの針を Low Battery の位置まで移動させ、さらにLEDを点滅させて自動停止させる仕掛けになっています。
これ、3年間の連続動作が目標ですが、この調子だと楽々目標をクリアできそうな感じです。まあ、電池の液漏れなどで強制終了になる恐れは残っています。
◆もっと省電流化できないか?
ところで、最近の記事では CMOS のシリーズレギュレーターをいろいろ話題にしているのですが、この気圧計にも使っています。
▼回路図

電池の電圧を CMOSシリーズレギュレーターの XC6202 で 3.3V に落とし、各部へ供給するようになっています。この気圧計は大半の期間は CPU がスリープしていて、その時の消費電流は数μAなので、シリーズレギュレーターの消費電流は電池寿命に大きく効いてきます。
この気圧計を作った時は、CMOSシリーズレギュレーターに関する知識があまり無くて、手持ちの中から適当に選んだのが XC6202 でした。今から見直すと、そんなに悪い選択ではなかった感じですが、世の中にはもっと消費電流の少ないレギュレーターが存在します。そういうことを知ると、消費電流の少ない物に交換して電池寿命をより長くしてみたくなります。
ちなみに、この気圧計の CPU がスリープ状態の時の消費電流を振り返ってみると、こうなっています。
・2017年5月:34μA (CPU:27μA, LDOほか:5.5μA) DelayWDT関数使用
・2018年5月:14.4μA (CPU:8.9μA, LDOほか:5.5μA) DelayWDT2関数に変更
気圧計として動かすためには、上記に加え気圧を測定して針を動かすための消費電流が必要です。でもこっちは数分間隔の間歇動作だけで良いので、平均値としては 6μA程度に過ぎません。つまり消費電流の大半はスリープ中に使われています。
◆シリーズレギュレータを交換するか
シリーズレギュレーターをもっと自己消費電流の小さな物、出来れば 1μAクラスの物に交換すれば、あと 20% くらいは電池寿命を延ばすことが出来そうです。
これ面白そうな話です。ただ、今でも十分省エネなので、ここからあと20%程度消費電流が減ったとしても、あまり効果が実感できない可能性が高そうです。手持ちのシリーズレギュレーターの消費電流を実測してみて、結果が良ければ入替えを考えるのが良さそうです。
◆まとめ
この気圧計は約 2年前に作った物ですが、いろいろと電子工作のネタを提供してくれます。もしこれを作らなかったら、こういう話は出てこなかった訳で、実際に物を作って使ってみることは大切だと思います。
あと、機械式の表示なんて時代遅れとよく言われます。でもこれ、待機時の消費電力はゼロだし、視認性も優れているので、気圧のようにゆっくりと変化する値を表示させるには、優れたデバイスだと思います。ちなみに、同じ性能(消費電流、視認性)の物を液晶で作ったらどうでしょう。たぶん液晶が負けるような気がします。
定期的に(と言っても数ヶ月置き)に取り上げている、アナログ表示の気圧計の電池電圧の状況です。いきなりデーターを出しても何の話だか判らない人もいそうです。ということで、まずは外観写真から、
・ こんな気圧計です

気圧センサーは LPS-25H、CPU は ATmega328 で、プログラムは Arduino で開発しました。あと、この気圧計については、平成から令和へ、元号を超えて動き続けているマイコンたち という、つい先日の記事で紹介したばかりでした。
◆電池電圧の推移
・ グラフ

動かし始めてから今日で742日目、電池電圧は 4.42Vでした。これは電池3本を直列にした値なので、一本当たり 1.473Vで、まだまだいけそうです。
ちなみに電池電圧は CPUで監視していて、電圧がグラフの赤い点線 (3.3V) に達すると、メーターの針を Low Battery の位置まで移動させ、さらにLEDを点滅させて自動停止させる仕掛けになっています。
これ、3年間の連続動作が目標ですが、この調子だと楽々目標をクリアできそうな感じです。まあ、電池の液漏れなどで強制終了になる恐れは残っています。
◆もっと省電流化できないか?
ところで、最近の記事では CMOS のシリーズレギュレーターをいろいろ話題にしているのですが、この気圧計にも使っています。
▼回路図

電池の電圧を CMOSシリーズレギュレーターの XC6202 で 3.3V に落とし、各部へ供給するようになっています。この気圧計は大半の期間は CPU がスリープしていて、その時の消費電流は数μAなので、シリーズレギュレーターの消費電流は電池寿命に大きく効いてきます。
この気圧計を作った時は、CMOSシリーズレギュレーターに関する知識があまり無くて、手持ちの中から適当に選んだのが XC6202 でした。今から見直すと、そんなに悪い選択ではなかった感じですが、世の中にはもっと消費電流の少ないレギュレーターが存在します。そういうことを知ると、消費電流の少ない物に交換して電池寿命をより長くしてみたくなります。
ちなみに、この気圧計の CPU がスリープ状態の時の消費電流を振り返ってみると、こうなっています。
・2017年5月:34μA (CPU:27μA, LDOほか:5.5μA) DelayWDT関数使用
・2018年5月:14.4μA (CPU:8.9μA, LDOほか:5.5μA) DelayWDT2関数に変更
気圧計として動かすためには、上記に加え気圧を測定して針を動かすための消費電流が必要です。でもこっちは数分間隔の間歇動作だけで良いので、平均値としては 6μA程度に過ぎません。つまり消費電流の大半はスリープ中に使われています。
◆シリーズレギュレータを交換するか
シリーズレギュレーターをもっと自己消費電流の小さな物、出来れば 1μAクラスの物に交換すれば、あと 20% くらいは電池寿命を延ばすことが出来そうです。
これ面白そうな話です。ただ、今でも十分省エネなので、ここからあと20%程度消費電流が減ったとしても、あまり効果が実感できない可能性が高そうです。手持ちのシリーズレギュレーターの消費電流を実測してみて、結果が良ければ入替えを考えるのが良さそうです。
◆まとめ
この気圧計は約 2年前に作った物ですが、いろいろと電子工作のネタを提供してくれます。もしこれを作らなかったら、こういう話は出てこなかった訳で、実際に物を作って使ってみることは大切だと思います。
あと、機械式の表示なんて時代遅れとよく言われます。でもこれ、待機時の消費電力はゼロだし、視認性も優れているので、気圧のようにゆっくりと変化する値を表示させるには、優れたデバイスだと思います。ちなみに、同じ性能(消費電流、視認性)の物を液晶で作ったらどうでしょう。たぶん液晶が負けるような気がします。
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