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ACアダプタの電流波形と消費電力 (2/3)、シミュレーションで確認

1.まえがき
前の記事は、スイッチング方式のACアダプタの消費電力の測定は結構厄介だと言う話で、状況をもう少し明らかにするためにシミュレーションしてみましょう、ということになりました。

そんなことで、早速やってみました。

2.回路図
ブリッジ整流回路
スイッチング方式のACアダプタの入力回路はこんなふうになっています。AC100Vを直接整流してC1のコンデンサで平滑する仕掛けです。この後ろにはスイッチングコンバーターが付きますが、それらの負荷をまとめてR1で表現しています。

ダイオードは部品ライブラリの中にあった、電流容量の大きいSiダイオード(600V/3A)を使いました。R1の値は今回のシミュレーションでは1000Ωで計算しました。C1の値が充分に大きければ、AC100Vを整流した時のDC+の電圧は約141Vになりますが、そこに1000Ωの抵抗をぶら下げているので、消費電力は最大で約19Wになる回路です。

3.シミュレーション結果
早速シミュレーション結果を見ていきます。
シミュレーション結果
平滑コンデンサ(C1)をゼロから1000μFまで変化させた時の挙動の一覧表です。

4.波形
詳しく結果を検討する前に、波形から見ていきます。
・C1=10μF
10μFの時の波形
グラフは上から、AC電圧・電流波形、電力波形、C1・R1電流波形、DC電圧波形です。
AC電流波形は裁断波になっていて、電圧に対して90℃位相が進んだ感じの波形になっています。

・C1=330μF
330μFの時の波形
C1を大きくした状態です。これくらいが普通のACアダプタの動作状態だと思います。

電源電流波形が狭いパルスになり、大きなピーク電流が流れています。なお、電源のインピーダンスはゼロでシミュレーションしているので、実際のピーク電流はもう少し小さな値になると思います。

5.特性グラフ
C1の値を変化させた時の特性の変化をグラフで見ていきます。

・AC入力電流
入力電流特性
AC入力電流の実効値と平均値です。なお、交流なので平均値は絶対値にした後の平均値で計算しています。
電流の実効値はC1が増えると急激に上昇することが判ります。

・AC電力
入力電力特性
入力の皮相電力(VA)と実効電力(W)です。C1の値を増やすと実効電力は約19Wで飽和しますが、皮相電力はどんどん増えていきます。

・力率
力率
実効電力/皮相電力の式で計算した力率の値です。C1が大きくなると皮相電力がどんどん増えるので、力率は悪化していきます。

次にDC側の特性を見ていきます。

・DC側の電流
出力電流
Irms-Cは平滑コンデンサ(C1)に流れる電流の実効値で、コンデンサの容量が増えると増加しています。これが皮相電力を増加させている原因です。

Irms-RとIave-Rは抵抗に流れる電流の実効値と平均値で、これが負荷電流と考えることが出来ます。

・出力電圧(リップル)
出力リップル
DC出力電圧のリップル量(P-P)です。平滑コンデンサの値が増えればリップルは減ります。

6.ここまでのまとめ
シミュレーションすることで回路の挙動を定量的に把握することが出来ました。どれも重要な特性なのですが、今回は消費電力に注目しているので、力率のグラフが特に重要です。

今回の負荷条件(R1=1000Ω)の場合、C1が100μFで力率は45.2%になることが判りました。この値は負荷の重さ(R1)と平滑コンデンサの容量(C1)との積(時定数)で変わってきますが、まあ普通はこれくらい、つまり50%くらいになっていると考えれば良さそうです。

7.力率の推定精度を上げるには、
いっぱいシミュレーションした割には、「力率は50%程度」というずいぶん乱暴な結論になってます。

もう少し力率の予測精度を上げたいのですが、そのためにはダイオードが導通して電流が流れている期間、つまり導通率の情報を利用すると良さそうです。

ということで、長くなったのでそのあたりの話は次の記事にまわすことにします。
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おもしろいです

WとVAの違いが目に見えるのが面白いです。

負荷抵抗の消費電力

負荷抵抗の消費電力、大コンデンサだと「およそ2倍」に。
正弦波のピークが140V(100x√2)ですんで、コンデンサで直流化したらE x E ÷ Rでパワーが倍に。
ハンダゴテの温調回路に整流・平滑回路を仕込んだら、パワーアップ(加熱:本来の温度より)できるかも!?

re:負荷抵抗の消費電力

ダイオード入れてパワー半分
http://radiopench.blog96.fc2.com/blog-entry-834.html
にすることが出来るので、その回路と切り替えて、パワーを0.5倍、1倍、2倍に調節出来るハンダゴテ温調器が簡単に作れそうですね。2倍がやりすぎなら、コンデンサの容量で加減。足りなきゃあ倍電圧整流しちゃうとか。

ターボボタン押すと130Wになるハンダゴテがありますが、あれとおなじようなことが出来ると便利かもです。
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