110mAhのリポ電池の放電特性
aitendo で売っている110mAh のリチウムポリマー電池の放電カーブと電流容量を測定してみました。
▼110mAhのリポ電池

aitendo の販売ページ、 リチウムポリマー電池(3.7V/110mAh) [SX-3.7V-110MAH] ジはこちら2年前に店頭で買ったまま使わないで放置していたものです。写真はaitendoのWebから転載。
測定はArduinoで作った測定用アダプタを使いました。詳しくはこちらの記事で、
▼放電カーブ

負荷抵抗は10Ωで測定しました。電圧は3.2V程度になっているので、電流は0.32A流れています。この電流は電池にとってはかなり重い負荷です。なお、グラフに線が二つあるのは2回の測定結果を表わします。
この負荷(10Ω)では 1100秒、つまり約18分電源供給が可能ということになります。
電池の開放電圧が3.7Vあると仮定すると、10Ωの負荷時に3.2Vまで電圧が下がっているので、内部抵抗は、1.56Ω ということになります。
▼積算電流

プログラムで電流の積分値を計算していますが、その値は98.21mAhでした。公称容量は110mAhですが、内部抵抗の影響で端子電圧が下がってしまうため、少し小さな値になったものと思われます。
◆まとめ
放電時間18分ということは、約3.3Cで放電させたことになり、かなり大きな電流で放電させたことになります。電流容量の測定結果は98mAhで公称値の110mAhより1割くらい小さな値となりましたが、これはまあ仕方が無いでしょう。
ともかくこの電池は買ってから2年経ってますが、ほとんど劣化していなかったということになります。但し内部抵抗が1.5Ωくらいあるので、大きな電流を流す用途には向いていないようです。
電池容量の測定の話としてはこれでおしまいになります。ただ、この測定を行ったのにはもう一つ理由があって、
◆ラジコンヘリの電源
実はこの電池をおもちゃのラジコンヘリの電池として使えないかと思ってこういう測定をやりました。
おもちゃのラジコンヘリやドローンの飛行時間は5分くらいなので、電流としてはこの測定の3倍くらいの電流を流していることになります。つまり負荷電流は1A近くに達することになります。その場合、電池の内部抵抗は1.56Ωあるので外部に取り出せる電圧は2Vくらいまで下がってしまうことになります。
これではパワー不足になるばかりか、マイコンが正常に動かなくなる可能性があります。あと、この電池には保護回路が付いているのでここが過電流もしくは不足電圧でトリップしてしまう可能性もありそうです。
そんなことで、この aitendo で売っている 110mAhのリポ電池はいわゆる「飛び物」には不向きなのかも知れません。
ところで、Aliexpres を調べると小型のドローン用に容量が100mAh程度のリポ電池がいっぱい売られています。
例えばこれ 3.7V 100mAh 751517 リポバッテリー Cx10 CX-10 CX-12 JJ810 820 828 V646 RC Quadrocopter 3.7V リポ bettery
容量的には今回測定した物と同じレベルですが、ひょっとしたらドローン用に売られている電池は瞬発力が出るようにチューニングされているのかも知れません。具体的には、内部抵抗が低くなるようなセル構造、さらには電池の保護回路のチューニングあるいは電池側の保護回路の省略(保護は機体側の回路で行う)などが行われているような気がします。ただ、この辺りは経験不足で、はっきりしたことが書けないのがもどかしいです。どなたか情報をお持ちでないでしょうか。
あと、最近のおもちゃ病院には、リポ電池がダメになって動かなくなったおもちゃが結構持ち込まれています。こういうのって、どう対処するのが正解なのか悩ましいところです。「リチウム電池の交換は出来ません」、と言って断るのは簡単ですが、それでは子供がかわいそうだし、そもそも修理すれば使える物をゴミと宣告している訳で、あまり良い気持ちはしません。
▼110mAhのリポ電池

aitendo の販売ページ、 リチウムポリマー電池(3.7V/110mAh) [SX-3.7V-110MAH] ジはこちら2年前に店頭で買ったまま使わないで放置していたものです。写真はaitendoのWebから転載。
測定はArduinoで作った測定用アダプタを使いました。詳しくはこちらの記事で、
▼放電カーブ

負荷抵抗は10Ωで測定しました。電圧は3.2V程度になっているので、電流は0.32A流れています。この電流は電池にとってはかなり重い負荷です。なお、グラフに線が二つあるのは2回の測定結果を表わします。
この負荷(10Ω)では 1100秒、つまり約18分電源供給が可能ということになります。
電池の開放電圧が3.7Vあると仮定すると、10Ωの負荷時に3.2Vまで電圧が下がっているので、内部抵抗は、1.56Ω ということになります。
▼積算電流

プログラムで電流の積分値を計算していますが、その値は98.21mAhでした。公称容量は110mAhですが、内部抵抗の影響で端子電圧が下がってしまうため、少し小さな値になったものと思われます。
◆まとめ
放電時間18分ということは、約3.3Cで放電させたことになり、かなり大きな電流で放電させたことになります。電流容量の測定結果は98mAhで公称値の110mAhより1割くらい小さな値となりましたが、これはまあ仕方が無いでしょう。
ともかくこの電池は買ってから2年経ってますが、ほとんど劣化していなかったということになります。但し内部抵抗が1.5Ωくらいあるので、大きな電流を流す用途には向いていないようです。
電池容量の測定の話としてはこれでおしまいになります。ただ、この測定を行ったのにはもう一つ理由があって、
◆ラジコンヘリの電源
実はこの電池をおもちゃのラジコンヘリの電池として使えないかと思ってこういう測定をやりました。
おもちゃのラジコンヘリやドローンの飛行時間は5分くらいなので、電流としてはこの測定の3倍くらいの電流を流していることになります。つまり負荷電流は1A近くに達することになります。その場合、電池の内部抵抗は1.56Ωあるので外部に取り出せる電圧は2Vくらいまで下がってしまうことになります。
これではパワー不足になるばかりか、マイコンが正常に動かなくなる可能性があります。あと、この電池には保護回路が付いているのでここが過電流もしくは不足電圧でトリップしてしまう可能性もありそうです。
そんなことで、この aitendo で売っている 110mAhのリポ電池はいわゆる「飛び物」には不向きなのかも知れません。
ところで、Aliexpres を調べると小型のドローン用に容量が100mAh程度のリポ電池がいっぱい売られています。
例えばこれ 3.7V 100mAh 751517 リポバッテリー Cx10 CX-10 CX-12 JJ810 820 828 V646 RC Quadrocopter 3.7V リポ bettery
容量的には今回測定した物と同じレベルですが、ひょっとしたらドローン用に売られている電池は瞬発力が出るようにチューニングされているのかも知れません。具体的には、内部抵抗が低くなるようなセル構造、さらには電池の保護回路のチューニングあるいは電池側の保護回路の省略(保護は機体側の回路で行う)などが行われているような気がします。ただ、この辺りは経験不足で、はっきりしたことが書けないのがもどかしいです。どなたか情報をお持ちでないでしょうか。
あと、最近のおもちゃ病院には、リポ電池がダメになって動かなくなったおもちゃが結構持ち込まれています。こういうのって、どう対処するのが正解なのか悩ましいところです。「リチウム電池の交換は出来ません」、と言って断るのは簡単ですが、それでは子供がかわいそうだし、そもそも修理すれば使える物をゴミと宣告している訳で、あまり良い気持ちはしません。
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